80%ぐらいのがんばり

娘との生活や読んだ本など

『毎日かあさん』は子育て中以外の人が読んでもおもしろい

2017年6月26日に毎日新聞で連載中だった『毎日かあさん』の連載が終了しました。

私は西原理恵子先生の作品は『できるかな』シリーズをきっかけに読み始め、『毎日かあさん』は独身の頃から読んでおりました。

 

独身女性20代が読んでもおもしろい『毎日かあさん

なぜ私が独身の頃から『毎日かあさん』を読んでいたのか?西原作品を追いかけていたら自然とそうなったとも言えます。

そのうえで毎日かあさん』は生きるパワーに溢れた作品だったので、引き寄せられたというのが正解に近い気がします。

 

最近の連載終了にあわせて「育児中の女性を救った!」といった取り上げられ方をされることもある『毎日かあさん』ですが、子供のいる・いないに関わらず、生きるエネルギーが枯渇しているときにはぜひ読んでほしい作品です。『育児漫画』とカテゴライズするのはもったいないと思います。

 

4巻の『出戻り編』の素晴らしさはあらゆるところで語られていますが、私はその後の5巻『黒潮家族編』、6巻『うろうろドサ編』での西原さんと子供たちの旅先のシーンも好きです。というか、私は西原さんの描く「海」の描写がすごく好きなんですよね。

 

西原さんの地元である高知県の海、東南アジアなどの海、沖縄の海など、描く場所は様々ですが、漁村の風景も、リゾート地と思われる場所の海も、どれもしっかりと波の音や潮風の匂いを感じられます。

私は色々あって「海」という自然に人一倍思い入れがあり、、歩いて海に入れる距離の宿に長期滞在して、こどもと楽しい夏休みを過ごすという夢を独身の頃から持っていますw

この夢もやはり『毎日かあさん』の影響を受けている気がしております。

 

あと保育園さぼって娘とランチとか、雨の日に親子でダラダラとか、0点とった記念に大盛りアイスとか…あこがれる!0点の大盛りアイスは、自分がしてあげたいのではなく、自分がしてもらいたかったことなのかもしれません(0点取ったことはないが)。

作品全体を通して、西原さんの子供時代のエピソードもあり、『女の子ものがたり』の原点かな?と思われるような話も時折見かけます。

 

毎日かあさん』には、日々の暮らしの面白さ、日常を精一杯生きる人への愛情が溢れているように感じます。アルコール依存症の元夫、問題児として扱われかねない子供の友達、傷ついたママ友、捨て犬など、愛情の対象が自分の子供に限らない点が印象的です。

 

毎日かあさん』のお気に入りシーン

 子供が生まれてからは「わかるわかるよ!」と共感したり、まだ幼児である我が子が今後どんな成長を遂げるのか、西原家の様子を見ながら、妄想にふけっておりました。

 

お気に入りのシーンは、その時の精神状態によって変わるのですが、最近は「いい子になる必要はないよ。いい子は自分のこと後にして、みんな人に譲っちゃう。まずは自分が幸せになってね」という言葉をよく思い返します。

 

実は先日保育園の二者面談があったのですが、総括するとうちの子は「意欲にじゅうまる。協調性さんかく」らしいのです。まぁ年少だし、早生まれだし、一人っ子だからある程度は仕方ないし、今から無理にお友達と仲良くしなくてもな~と悠長に構えてはいるのですが、確かに性格は頑固です。そして、保育園の女の子は総じて年下の子のお世話をしたがるものですが、うちの子は唯我独尊タイプで、年上(しかもやんちゃ系の男の子)には多少の興味を示すものの、年下にはまるで興味なし!

 

「甘やかしすぎ!」といわれると反論もできないのですが、だって親の私からすると怒るポイントがあんまりないんです。毎日8時~18時まで保育園で過ごして、でも朝はちゃんと起きるし、食べ物の好き嫌いもない。

 

「お友達や年下の子と仲良く遊べず、一人で遊んでいることも多い」という割に、本人は保育園好きで、体調不良の時も「保育園休みたくない!」と自己主張する。本当に私の子か?というぐらい、よくやってます。まあ、一人でも楽しめてるあたりが私の遺伝子なんですかね。

親バカを承知で言いますが、もう十分『にじゅうまる』なんです。

 

と、こうやって子供を肯定できるのも、『毎日かあさん』のおかげかもしれないなぁ。

 

子どもの自立によって終わるのは実に『毎日かあさん』らしい終わり方だった

 

世間一般的には、育児漫画は子供が大きくなるとパワーダウンするといわれており、毎日かあさんにもそんな評価があるようです。確かに、巻数が進むにつれて、こどもが無茶をやらかすことはなくなり、本の半分近くがこども以外のエピソードだったこともあります。

 

ですが、話そのものは少なくなりましたが、10巻以降、特に娘さんが思春期に差し掛かってからのエピソードも十分面白いです。『育児漫画』『子育て漫画』というと、やはり幼児期の作品が多く、この年齢の子育てが漫画として描かれているだけでも貴重です。

 

そして、西原さんは「卒母」を宣言していましたが、自分の子供を「もう大丈夫」と外の世界に送り出すのってどんな気持ちなんだろう?と非常に興味深いです。

だって、今やっている教育やしつけの目的の多くは、いずれくるその時のためのものですから!

 

最近では、子離れできない親、そうした親をしんどく感じる子供も大勢います。ですが、西原家の場合、自立(特にお金の面)に関しては、子育て期間を通して徹底的に叩き込んでいたのではないでしょうか。

 

息子さんが大学入学、娘さんもやりたいことを見つけた時期の連載終了は、非常に西原家にとっては自然なことで、『毎日かあさん』らしい終わりといえそうです。