80%ぐらいのがんばり

3歳娘との生活や読んだ本など

ちきりんはやっぱりすごい『未来の働き方を考えよう』

ちきりん著『未来の働き方を考えよう』(文藝春秋)を読んだのですが、やっぱりちきりんさんはすごいなぁと。ネット上の人がもう1億回ぐらい思ったことを、本を読んで改めて思ったので、書き記しておくことにします。

 

 

超ざっくりいうと『未来の働き方を考えよう』は、「新卒採用→65歳で定年で第二の人生」のような生き方はもう無理だってみんな気づいてるよね。プラス今の子供は将来海外で働く機会も増えるよ。現代の働き方は、これから大きく変わるよ。あなたは未来をどうするの?という本です。

 

正直、第3章ぐらいまでは、特に目新しい記述はなかったです。

働き方革命系の本を何冊か読んでいたり、それこそネットでちきりんさんとかイケダハヤトさんとかphaさんとか伊藤洋志さんなどをフォローしている人なら日々触れている情報です。

 

〈序章〉 ”働き方本”ブームが示すモノ

〈第一章〉現状維持の先にある未来

〈第二章〉世界を変える3つの革命的変化

〈第三章〉新しい働き方を模索する若者たち

 

第3章までは、ちきりんさんが読んだ本のまとめで、現状把握といったところでしょうか。末尾の<参考文献>とともに、面白そうな本があればマークしておきましょう。私もリンダ・グラットン著『ワークシフト』をkindleでポチっておきました。

 

ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>

ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>

 

 

しかし、4章からが「ちきりんのすごさ」というか、この方が支持されている理由がわかってきます。

 

途中まで読んで、『自分の頭で考えよう』は、読み進めるたびに発見や驚きがあったのにと物足りなく思っていても、やはりちきりんさんの本は一定の満足感を読者に与えてくれます。

 

ちきりんのすごさ1:著者の結論がしっかり明記されている!

 

4章以降は以下のように続きます。

〈第四章〉「ふたつの人生を生きる」

〈第五章〉求められる発想の転換

〈終章〉 オリジナル人生を設計するために

 

第4章からは、現状を踏まえたうえでの、ちきりんさんの結論。

それは「職業人生は2回選ぶ」と考えること。

 

40代で働き方を選びなおす。1度目の就活がパッケージ旅行なら、2度目の就活は自由旅行。なにもわからない20代の就活と異なり、40代なら自分や社会を少しは知っていて、人生の有限性を意識する頃です。この時期に本気のワークライフバランスを実現しようというのです。

 

うん、おもしろい。

・40代での就活は厳しすぎる。

・ちきりんは強者だからできる。

など実現可能性にはいろいろケチつけられますよ。一言でいうなら「理想論じゃん」とね。

 

でも、さんざん「問題です!こんな点が問題です!未来は大変です!」って不安を煽っといて、読者の「じゃあ私たちはどうすればいいの?」という問いかけには「自分磨きを頑張るしかないよね~」みたいなふわっとした結論しか出さない著者のなんと多いことか(1500円返せって気分になる)。

 

もちろん本を通して課題を認識し、読者自身がそれを考える行為も大切です。ですが、せめて「こんだけ問題を認識してるあなたの結論はどうなのですか?」と。

 

そういった意味で、ちきりんさんの姿勢というのは、非常に誠実で好感が持てます。

 

ちきりんのすごさ2:わかりやすく説明し、他人をその気にさせる力

もともと、ちきりんさんは、他人にわかりやすく伝えるということに非常に優れた方です。いろいろ漏れ聞かれていますが、ご自身では経歴を明かさず、これほどの支持を得ているのはその証左でしょう。図やグラフの使い方も、非常に参考になりますねw

 

「ちきりんは、強者だから」といいますが、ちきりんさんぐらい頭が良くても、

・新卒時には、10年後、20年後の働き方や自分のやりたいことなんてわからない

・死ぬまでお金に困らない人とは、寿命が短い人

という部分もよんで、「このぐらい頭の良い人でも、現実はこうなんだ」と私は安心しましたw

 

ちきりんさんの論を実現するには、そうした40代で生き方を選びなおす人がたくさん出てこないといけません。理想論を理想論のまま飾っておくのではなく、実行に移す人が増えれば、それは一つのモデルケースになります。

また、雇われに関しては、40代でキャリアチェンジしても、「使えるじゃん」という人がふえれば、採用のハードルも下がります。

 

・40代で職業人生を選びなおし、定年年齢でプツリと引退するのでなく緩やかに引退する人

・反対に、40代で子育てを終えて、バリバリ働きに出る元専業主婦

 

こうしたモデルケースがたくさん出てこそ、社会もそうした人を受容しはじめます。大企業を惜しげもなくやめたり、今とは違う働き方を模索する若者が増えたように。

 

だからこそ、ちきりんはこの本で、あえて特定の読者を限定せずに、就活中の学生やサラリーマン、専業主婦など、たくさんの人に問いかけ、それぞれの立場の人向けの「例」を挙げているのではないでしょうか。

 

※ちきりんさんの著書に限らず、こういう新しい働き方だったり、自己実現の本を読んで、その気になった人が仕事やめたりして、痛い目を見ることもあります。これだけうまいと「罪深い」面もあるのかもしれませんね。

 

ちきりんのすごさ3:キャリア形成に関しての話が上手いw

読者の「じゃあ私たちはどうすればいいの?」という問いかけには「自分磨きを頑張るしかないよね~」みたいなふわっとした結論しか出さない著者のなんと多いことか(1500円返せって気分になる)

 

って書いた舌の根も乾かぬうちに…ですが、ちきりんさんぐらい上手ければ話は別です。ちきりんの中の人が言われている通りなのだとしたら、餅は餅屋ということなのか。いや、別世界の住人過ぎてよくわからないのですが。

 

「 〈終章〉 オリジナル人生を設計するために」は、以下の3つで構成されています。

ステップ1. 手に入れたい人生を明確にしよう!

ステップ2.複数の将来シナリオをもとう!

ステップ3.市場で稼ぐ力をつけよう!

 

ステップ2のキャリア形成・5つのシナリオメゾットは、やってみる価値ありです。

 エンジニアならエンジニア、営業職なら営業職など、その後のキャリア形成であり得る道を5つ考えます。

 

例:今の職業がエンジニアの場合

(著書ではもっとよい例が詳細に載ってます)

 1.オタクエンジニア道

2.トレンドを追う売れっ子エンジニア

3.エンジニアというバックボーンを生かした営業職

4.組織マネジメントを身に着けて、最終的には組織の経営者側へ

5.自らベンチャー企業を起こす

 

「なんとなく今の仕事を続けることには不安がある」という私みたいな人間にとっては、 

うん、こういうの待ってた。

とりあえず、これで不安の正体と自分に足りてない能力がわかる気がする。

 と良い話聞いたな~という感じです。

 

でも、まだ5つも思いついてない。自分の仕事への理解の欠如、自分に足りない能力を知る能力すらないのか…と愕然とするw

 

ステップ3も面白いです。

「市場に近いところで働くことが重要」、子育て中の方は「市場で生きていく力を子どもに身に着けさせるには、どうすればいいのか考えたほうが良い」とあり、このステップ3についてももっと詳しく!特に子育てについてもっとアドバイスしてくれ!

とちきりん氏にすがりつきたいと思ったとこところで読了となりましたw

 

というわけで『未来の働き方を』で、おすすめです!

忙しい人は、第4章以降から読みましょう。